JR九州の観光列車「ゆふいんの森」2号に乗車しました
九州には10以上の魅力あふれる観光列車が存在します。
SL乗車体験ができる「SR人吉」や大正ロマンあふれる高級観光列車の「或る列車」や黒い車体と豪華な車内での食事が何とも言えない「36ぷらす3」などいろいろな種類の観光列車があります。
乗車時間や料金も様々で、1時間以内の旅程で数千円からカジュアルに乗れるものからお一人様数万円という豪華観光列車まで多種多様な列車があります。
自分の懐事情と時間の余裕と相談しながら自分に合った観光列車を選べて、流れる車窓を眺めながら移動する時間も車内の雰囲気も楽しめるというのが旅の意欲をそそります。
今回私は、大分~由布院~博多駅間を結ぶ「ゆふいんの森」2号に乗車してきました。
なぜ博多駅発由布院行きの1号、3号、5号の奇数号でないのか?
インターネットを見ていると福岡からゆふいんの森に乗車している人は結構多いんですよね。
でも、逆ルートで乗っている人はあまりいない。
ということは、混雑もしていなくて、しかもいい席も取りやすいんじゃないか?と思ったので今回はこのルートにしました。
ゆふいんの森に乗車するには、乗車券と特急券が必要です。
オンラインでの購入もできますので、詳しくは関連記事を参考にしてください。
関連記事:JR九州「ゆふいんの森」のきっぷをオンラインで購入する
この「ゆふいんの森」は2020年7月に発生した豪雨で橋りょうが流されるなどした影響で、博多~豊後森間はゆふいんの森が通常運行していましたが、豊後森~由布院間は代行バスでの運行となっていました。
それが、2021年3月1日に全線で運転が再開されるようになりました。
12:08発 由布院駅~博多駅までの道のり
由布院駅には、ちょっと早めの11時30分頃に到着しました。
時間のある方は改札をくぐって右手に足湯もあるので(有料)、足湯に浸かりながら電車を待つというのも由布院らしくていいのではないでしょうか。
黒を基調とした由布院駅は少しレトロな感じがします。
ゆふいんの森は博多駅-由布院駅間を1日3往復しています。
由布院から大分、別府まで運行している便も一日1往復あります。
12:08発のゆふいんの森2号は5両編成で、由布院駅が始発でした。
1番線にゆふいんの森が入線してくるのを今か今かと待ち構えます。
入線してきたゆふいんの森は緑の車体が何とも美しいですね。
出発の時間までしばらく停車します。
ゆふいんの森の車窓は、博多方面から乗車すると、博多の都会的な風景からだんだんと山間部に入り由布院駅に到着、とように景色が移り変わっていきます。
由布院駅からはその逆で、のどかな風景からだんだん博多の都会の景色に変わっていきます。
「ゆふいんの森2号」に乗車した際の見どころは、ゆふいんの森が由布院駅を出発してから30~40分の間に集中するので、乗車後しばらくはシャッターチャンスを逃さないようにしましょう。
私はお弁当を取りに行くタイミングを間違えて、せっかく車掌さんが教えてくれていたにも関わらず、ゆふいんの森が上下線で行き違える唯一の瞬間をミスしてしまいました。。
豊後森駅(ぶんごもりえき)で「豊後森機関庫」を見よう
由布院駅を出発してしばらくは右へ左へ折れ曲がるのどかな道を進みます。
そして、出発してから30分もたたないうちに、豊後森駅という駅を通過します。
この時に、昭和初期に建てられたSLの車庫とSLを眺めることができる「豊後森機関庫」を通過するので、これは絶対見逃さないようにしましょう。
ここは、鉄筋コンクリート造・陸屋根で扇形の機関庫と機関車を車庫に導く鋼鉄製の転車台からなる建物で、石炭や水等の補給基地として、また急峻な水分峠越えを行うための機関車の交換等で豊後森機関区は非常に重要な役割を果たしたそうです。(大分県くすまち観光協会HPより抜粋)
車窓からは、私の体感であっという間に過ぎ去っていくので、これが私のベストショット。
遠目にSLが転車台の横に鎮座しているのを車内からみることができました。
もう少し徐行して走ってくれると最高でしたね。
何なら、JR四国の観光列車のように15分程度停車してくれたらもっといいですね。
絶対、ゆふいんの森の「売り」になると思うのでJR九州さんにぜひ検討してもらえると嬉しいです。
時間があれば、豊後森駅に降り立って昭和の初頭に造られた立派な機関庫と転車台、またSLの車両をじっくりと観察してみて下さい。
伐株山も見逃せない
豊後森駅を通過してすぐに進行方向左手に伐株山(きりかぶやま、またはきりかぶさん)という山が現れます。
ちょうど木の切り株のように山頂が平らになっている山で、車掌さんに伺ったところ人が山頂を平らにならしたわけではなく、最初から切り株のような形の山だったそうです。
山頂には、ブランコなどがあって週末にはピクニックをする人やハンググライダーを楽しむ人たちで賑わうんだそう。
ちょっと調べてみたところ、山頂にはKIRAKABU HOUSEというカフェがあるようで、コーヒーを飲みながら大分の大パノラマビューを楽しむひと時とか最高だろうな、と思いました。
慈恩の滝が現れる
ゆふいんの森はまだまだ見どころ満載です。
伐株山を過ぎると5~10分ほどで、二段滝で有名な慈恩の滝(じおんのたき)が現れます。
慈恩の滝が近くなると、車内アナウンスで紹介してくれて、電車もやや徐行運転になるので、滝がより見やすくなります。
こちらも進行方向に向かって左手に滝が現れます。
車窓からはやや遠いですが、滝がちょうど2段になって水が上から絶え間なく落ちてくる様子が見えました。
こちらも体感的にはあっという間に過ぎていくので、見逃さないようにしましょう。
上段20m、下段10mと、合わせて約30mの落差があるそうです。
また、滝の裏側にまわることができるそうで、時計まわりにまわると幸せを呼ぶといわれているとか。
夜にライトアップされることもあるそう。
お弁当は事前予約がおすすめ
ゆふいんの森に乗車するもう一つのお楽しみは車内で食べるお弁当です。
お弁当は720円とお手頃価格なものから3,240円というデラックスなお弁当まで各5種類が用意されているようです。
お弁当は出発の2日前の平日までに、電話での事前予約が必要になります。
私はJR九州のサービス部サービス課【092-474-2179】に電話して、ミシュラン1ツ星を獲得した北九州の名店「寿司 竹本」が監修する車内オリジナルお弁当!と謳われていた「折鶴(おりづる)」を予約しました。
確か、電話予約の際に、売店ではお茶類売っていないと言われた気がしたので、お茶類は乗車前に駅で買っていきました。
販売しているお弁当はJR九州さんのHPを参照してください。
当日は、乗車後すぐから車内の売店でお弁当を受け取ることができます。
3号車だったと思いますが売店があり、お弁当を取りに行ってそこで支払いをします。
由布院駅発のゆふいんの森は出発してから見どころが続くのでできれば乗車後すぐにお弁当を取りにいくか、慈恩の滝を堪能してからゆっくりとお弁当を取りに行くことを強くお勧めします。
売店が混みあっていると、見どころを全て見逃してしまうという私のような悲劇もあり得るので気をつけてくださいね。
支払は、Paypayでの支払いができたので、キャッシュレスでとても便利でした。
そして、お弁当の中身ですが、私が予約していた「折鶴」は2段式のお重のようなお弁当になっていて、いろいろな種類の食材が所狭しとぎっしり詰められていました。
お重が段差式に開くようになっていて、目にも鮮やか。
どれを食べても美味しそう!
美味しすぎて、あっという間に食べてしまいました。
もっと味わって食べればよかったなと少し後悔。
ゆふいんの森2号はどこの席がおすすめ?
ここまでゆふいんの森の見どころをご紹介してきましたが、一体どこの席に座ればいいの?おすすめの席はどこ?
と、思う方へのおすすめは絶対「進行方向(博多方面)に向かって左側のC席やD席」です。
ゆふいんの森2号は5両編成で、特におすすめなのは
- 5号車C,D席(最前列)
最前列は前方がパノラマビューで開けているので競争率も高いです。この席が取れたらラッキーですね。反対側の5号車A,B席もおすすめです。
3~4名で移動する方は、
- 3号車のボックスシート
がおすすめ。
席はテーブル状に設定してあって、背もたれにクリア素材で仕切りがされているので、少しプライベート感があります。
席の真ん中にテーブルがあるのも便利です。
そして、穴場のおすすめ席は
- 1号車C,D席(最後尾)
こちらは、最後尾の席になりますが、椅子が回転できるので進行方向に向かって背を向けて座るような形になります。
なので、電車が線路を走っていく後ろ側の様子をずっと見ていられます。
椅子を回転させることで自分だけのプライベートスペースを作ることができるので、進行方向は気にしない方であれば、最前列の席に比べると競争率がやや低めで取りやすい。
車両自体も先頭車両と比べて、空いているのでかなりおすすめです。
私も最前列を頑張って予約しようとしたのですが、数々の猛者がすでに席を予約していたので、私は最後尾のこちらの席を取りました。
この席に座るもう1つのメリットは、車掌席がすぐ近くなので車掌さんとお話しすることができます。おすすめの景色を教えてもらうことができました。
座席表もJR九州さんのホームページで記載がありますので、予約の際にはぜひ検討してみてください。
それぞれに趣の異なる車内
ここまでは、おすすめの座席をご紹介しましたが、ゆふいんの森はそれぞれの号車によって趣が異なります。
各号車は5両編成のゆふいんの森2号を例にご紹介しています。
ゆふいんの森2号の1号車
まずは私の乗車した最後尾の1号車。
内装は木をふんだんに使っているのでほっと落ち着いた雰囲気。
シートピッチが広くてあまり混雑していないので、ゆったりと過ごすことができます。
そして、最後尾からは列車が線路を走っていく様子を眺めることができます。
座席を反転させることで目の前も横も眺望が開けて、眺めを楽しむことができました。
各号車は乗車口からは1段高い場所に渡り廊下が設置されている構造になっています。
乗車口から乗車して階段を数段昇るということになります。
車椅子の場合は、事前に連絡しておけばサポートもあるそうなので安心ですね。
階段を上ってしまえばあとは車内は段差がないので、車椅子の方でも移動しやすい構造になっています。
ゆふいんの森2号の2号車
続いて、2号車です。
1号車の車内と同じような感じなので、ちょっと自信がないですが2号車は進行方向側に荷物置き場がないので、ここが2号車だったはず。
サンシェードがカラフルな色でかわいらしいですね。
こちらも混雑していないので、ゆったり乗車したい方にはいいと思います。
ゆふいんの森2号の3号車
ゆふいんの森2号の3号車は一部がビュッフェとなっていて、事前予約したお弁当やアイスクリーム、記念品などを販売しています。
事前予約したお弁当もここで受け取りをしました。
3号車はボックスシートも用意されていて、3~4名で乗車する時はボックスシートを利用するといいと思います。
ボックスシートは透明なボードで座面の後ろが区切らていました。
ボックスシートは乗客の方がいたので、写真は撮りませんでした。
撮れた写真は、3号車の前方だけですが座席はこんな感じ。
車内の雰囲気が変わりました。
3号車のさらに前方には荷物置き場と車椅子用のスペースも確保されていました。
大人も子供も楽しめるスタンドテーブルが用意されたデッキもありました。
意外と揺れが激しいので、しっかりと手すりにつかまって外の景色を楽しんでください。
ゆふいんの森2号の4号車
ゆふいんの森4号車はシートも天井も森の中のような感じで、他の車両と雰囲気が全然違います。
よく見ると、この号車はサンシェードも木の雰囲気があってユニークなコンセプトだとわかります。
座面の植物の模様も一つ一つ違っていて、かなり凝った造りになっています。
ゆふいんの森2号の5号車
そして、博多方面行きの先頭車両が5号車になります。
運転手さんがゆふいんの森を運転する様を見ながら進行方向のパノラマビューを楽しむならば、やはり5号車しかない。
5号車もダークグリーンを基調とした座席で、前方がひらけているので開放感があります。
ただ、もっと前方に進むとやはり人気なだけあって、かなり人口密度が高めで混みあっています。
ゆふいんの森2号に乗車してみた感想
今回、混雑を避けたいという思いもあって、博多発ではなく由布院駅発の博多駅行きのゆふいんの森2号に乗車しましたが、2時間少々の列車の旅はあっという間でした。
入線してくるゆふいんの森は圧巻でしたし、お弁当もめちゃくちゃ美味しかった。
由布院駅からだと、森の中からだんだん都会に近づいていく車窓が広がっていて、途中のSL機関車や慈恩の滝など観光のポイントも車内から見れたので全然飽きませんでした。
むしろもっとゆっくり走ってくれたらいいのに、と思ったほど。
また、途中の田園風景や菜の花畑にも癒されました。
車内には車内販売が回って来てくれたり、車内のアテンドの方が写真撮影のサービスを行ってくれたり、車掌さんがとても親切に話しかけてくれたりしてほっこりしました。
各号車ごとにフリーWifiが用意されているのもありがたいです。
そして、毎日運行しているのが観光列車としては珍しく、気軽にいつもとは違う電車の旅を味わえるのがいいなーと思った旅でした。
美味しかったお土産
今回、旅先で買ったお土産はこちら。
ゆず漬け
別府駅近くにあるデパート「トキワ別府店」の1階で購入したゆず漬け。
塩味はきつすぎず、さっぱりとしたゆずの香りが上品な味でした。
ご飯が進む。
できたてめんたい
博多駅では、しっかり明太子をゲットして帰りました。
できたての明太子をパッケージして販売されていました。
生明太子ですね。
お宿選びに迷ったら、私の宿泊した5つ星のお宿なんていかがでしょう?
宿泊記を書いています。