国内旅行

尾道の丘からの街並みと渡し舟からの風景を楽しむ半日旅

投稿日:2024-01-18 更新日:

古くから文学に親しみ山肌と海に囲まれた独特の街並み

広島県にある尾道に前日から宿泊して、尾道の半日観光を楽しみました。

尾道はしまなみ海道へ続く西瀬戸自動車道が四国へ続いている道としても有名で最近では、しまなみ海道をサイクリングで楽しむサイクリストの町としても知られるようになりました。

尾道駅を出るとすぐに穏やかな海の水面を見ることができます。

ここは尾道水道と呼ばれ、瀬戸内海の島と尾道側の陸地が非常に密接しているエリアです。

この細い水道を利用して古くから海運や物流の集散地としてもかなり栄えた場所だそう。

また古くは文学の街として知られ、多くの詩人や歌人などが尾道に滞在し尾道の風景を詩や唄、小説などの作品に多数残したそうです。

尾道を舞台にした映画が製作されたことでも有名で、大林宣彦監督による尾道三部作と呼ばれる「転校生」、「時をかける少女」、「さびしんぼう」という映画作品も有名なようですね。

これらの地域は北側の海と南側の海に挟まれているため、平地が少なく山肌に住宅や神社仏閣が集中しているとどこかで街の説明がありました。

さっそく山側のエリアを散策していきます。

尾道駅から散策開始

尾道駅近くのホテルに宿泊したので、尾道駅から散策を開始しました。

今回は二人旅です。

尾道駅を背にして左手に歩みを進めていくと「小寺めぐり」という看板が出てくるので標識に沿って歩いてみます。

少し開けた味のある踏切を渡っていきます。

「小寺めぐりコース出発点」というサインがあったので、この辺りから少しずつ坂を上っていきます。

階段を登っていくと時光寺に出ます。

私たちはその横の道を通ってこの地域の街並みを見ながら散策することにしました。

こちらからも持光寺の入口に入ることができるようです。

入口横にこの土地で昔は使っていた「二階井戸」というものがまだ残っていました。

坂の多いこの地域で生活用水を住民が確保できるように坂の上からも水を汲めるように井戸を作っていたのだと思われます。

持光寺に着きました。

持光寺から振り返ると確かに山肌に面して山と川のわずかな土地にたくさんの住居が建てられていることが分かります。

まだまだ坂をぬって小路を歩いていきます。

小路をいくと少し風景が開けてきて、西土堂ポケットパーク (休憩所)が現れます。

ここでトイレ休憩などができます。

この坂の頂上に千光寺公園という公園があります。

そこを目指して登っていくのですが、ここでまだ3分の1ほどなのでまだ進みます。

少し開けた道が出てきて、ここが街のメインストリートなのかもしれません。

この階段を登ります。

清浄山光明寺の境内に出まして、少し散策します。

立派な鐘と第12代横綱「陣幕久五郎の手形」と書かれた大きな手形がありました。

こちらの清浄山光明寺を横に進むように歩みを進めると丘の上に大きな広場が現れます。

ここが尾道文学公園というようで、公園から眼下に尾道の街並みが少しと海、対岸の島が見える風光明媚な場所に出てきます。

時間が合えば尾道駅を通り過ぎていく長い貨物列車の列を丘の上から眺めることが出来ます。

この時間はちょうど貨物列車が左右から行き交う光景が見られました。

ここまで来ると徒歩で千光寺公園まで登ることもできますが、私たちのおすすめは猫の細道を通って三重塔を眺めながら一旦下まで降ります。

猫の細道

途中の三重塔と尾道の街並みと尾道水道を写真に収められる場所が素晴らしかったです。

ロープウェイで千光寺公園公園まで上ります

やっぱりロープウェイは上りが楽しいということで、一旦線路脇の道まで坂を下りてきました。

ロープウェイ乗り場で切符を片道だけ購入してロープウェイに乗り込みます。

乗車時間はたった3分ですが、眼下に先ほど歩いてきた尾道の山肌に建つ家々と尾道の海と対岸の島が見渡せる素晴らしい光景が見られるので、ぜひロープウェイを利用することをおすすめします。

料金は大人片道500円です。

個人的な意見ですが、下りはロープウェイを利用せず階段で降りてきた方が楽しいです。

千光寺頂上展望台 PEAKは必見

ロープウェイを山頂で降りると少し広場になっています。

この辺りを散策するのもいいですし、この上に2022年3月29日にリニューアルオープンされた新展望台のPEAKに登ってみるのがおすすめ。

新しいコンクリートの建物で緩やかならせん状のスロープで上まで行くのもいいですが、混雑していなければぜひエレベーターで一番上まで行ってみてください。

エレベーターのドアが開いた瞬間にものすごい景色が目の前に飛び込んできます。

右を見ても絶景、左を見ても絶景です。

尾道水道を船がゆっくり進んでいく光景を見ているととても心が落ち着きます。

下りは「文学のこみち」で

下りは「文学のこみち」と書かれた石の横から細い道が続いているので、ここを下りていきます。

たくさんの詩人、歌人の方がこの道を歩いて読んだ歌や尾道に滞在して残した作品の一部が石に刻まれていたりします。

文学のこみちを下ると千光寺へ出ていきます。

千光寺へ

展望台の方から下ってくると千光寺の境内の横に出てきます。

境内の横に「鏡岩」と書かれた看板があり、見上げると鏡を模した円形に掘られた岩がありました。

通りかかりの地元の方に声をかけて頂いて、昔は本当に鏡の部分を磨いていたのだとか。

遠くの海の方からもこの鏡の輝きを確認することができたそうです。

「お正月や夏の間なんかはこの辺りは人でごった返すのよー」と気さくに話かけて頂いて地元の話を聞けてよかったです。

その先に進むと本来は千光寺や土産物屋さんなどもあるようなのですが、今の時期は残念ながら修復工事中で立ち入り禁止でした。

千光寺の社務所のような場所に出てきました。

尾道街道を眼下に望むことができる場所でしばしの休憩です。

本堂でお参りをして、鎖修行と呼ばれる鎖を伝って大きな岩を登っていく修行をするというのがこの千光寺の修行のようですね。

この土地にはもともと良質は石がたくさん採れたようで、立派な巨岩がたくさんありました。

こんなに高い丘の上に家屋を建てるのはもちろんのこと、一番の頂にお寺を建立するのは本当に大変な作業だったと思います。

みはらし亭の庭先で猫と日向ぼっこ

下りの階段の途中で立派なガラス窓の多い建物と広々としていてよく手入れのされた庭がありました。

ベンチに地元の猫ちゃんが日向ぼっこをしていたので、少しだけ一緒にあそびました。

とても人懐っこい猫で、喉をなでなでするとお腹も触ってと言わんばかりにごろんと寝ころんで私たちと一緒に日向ぼっこを楽しんでいました。

膝の上に上ってきたりして、とてもかわいかったです。

尾道散策サンプルコース

今回、私たちが巡った尾道の散策コースはこんな感じです。

下の2つの地図で緑色になぞったコースになります。

尾道駅からロープウェイ方向に線路沿いを歩いて大きな線路を渡って少し行ったところに「小寺めぐりコース出発点」という(下の図の赤丸)があります。

そこから西土堂ポケットパーク、清浄山光明寺まで行って横綱陣幕の手形をみました。

GoogleMapより

清浄山光明寺から階段を登って、ネコノテパン工場をぐるっと回るように迂回します。

尾道共楽園を目指して歩いていくと開けた広場に出るので、尾道共楽園の広場からの景色を楽しみました。

共楽園からは下りの道を行って、天寧寺三重塔の脇で写真を撮りそのまま猫の細道を通って一旦ロープウェイ乗り場まで降りてきました。

GoogleMapより

時間にして約1時間ほどの散策でした。

実際に暮らすのはとても大変なのだろうと想像しますが、その街並みから眺める尾道の海はとても美しいです。

健脚の方は共楽園から千光寺への階段を登って徒歩で展望台まで行ってみるのもいいかもしれません。

線路と同じ目線で列車が通過!

ロープウェイと尾道の街並みの散策を楽しんで、少し時間があればこちらのスポットを体験してみるのもおすすめ。

士堂2丁目の信号がある交差点を千光寺側に行くと線路をくぐって通りが続いている場所があります(上の地図の緑★箇所)。

列車の時間が合えば、この場所でしばし滞在してみることをおすすめします。

目の前にカフェもあるので、カフェで休憩しながら眺めるのも〇。

ここでは、線路を同じ目線で列車が通過していく光景を見ることが出来るので、列車が通過していく臨場感と迫力を味わうことができます。

くれぐれも線路内に立ち入ったり、無理な場所からの写真撮影などはしないようにしましょうね。

渡し舟で向島へ

尾道と対岸の向島への往来は渡し舟が活躍しています。

近隣住民の通行の足となっていて、徒歩の乗客だけでなく自転車やバイク、路線によっては車の渡し舟も可能になっています。

あくまで住民の足なので観光客は邪魔にならないように心がけたいですが、混雑していなければこの渡し舟を経験してみるのも尾道観光のいい思い出になると思います。

GoogleMapを見てみると、尾道から対岸の向島へは浄土寺山展望台の右手から新尾道大橋という立派な橋が架かっているのですが、尾道駅からやや遠いので利便性が悪いのか、渡し船が3つほどあります。

GoogleMapより

①尾道渡船

千光寺ロープウェイ乗り場から一番近い渡し船です。車の乗船もできるようで、渡し船を待っている地元のドライバーが乗り場前で渡し船が来るのを待っていました。

始発は朝6:00~最終は向島発が22:25、尾道発向島行きが22:30です。

時刻表は存在しませんが、始発から最終まで約10分間隔(通勤通学ラッシュ時は5分間隔)で往復運航しています。乗客の乗り込みを待って出航し、約4分で対岸のフェリーのりばに到着します。

料金は、片道料金で大人100円(小児50円)で自転車やバイクは10円追加です。車や車両の大きさによって120~130円でドライバーはこの料金に含まれます。

ホームページ:https://onomichijp.com/shimanami/onomichi_tosen.html

尾道渡船には車で乗船してみました。

自分たちの他に車で乗船した乗客がいなかったので、車に乗り込んだまま渡し船で対岸まで渡るという人生で初めての体験をすることができました。

私たちは②、③、①の順で全部の渡し船に乗りました。

②福本渡船

日曜日は運航していませんが、片道料金が大人60円(小児30円)と最安値のため学生の通学などに利用されているようです。自転車は追加10円、バイクは20円追加です。車でも乗船できます。

月曜日~土曜日:06:30~20:10運航でJR尾道駅から徒歩5分という利便性が魅力です。

乗船時間は約3分です。こちらも始発から最終まで約10分間隔(通勤通学ラッシュ時は5分間隔)で往復運航しています。

ホームページ:https://onomichijp.com/shimanami/fukumoto_tosen.html

空いていたので、ちょっと乗ってみました。

乗客は6,7人で、乗り込んだらすぐに出発という感じでした。

自転車で乗り込んでいる地元のおじさんや、タクシーで乗り込んでいる観光客?の方もおられました。

あっという間に対岸に到着で、料金は下船してから支払います。

③駅前渡船

尾道駅前から対岸の向島まで結ぶ最長?路線です。こちらは車の乗船はできません。

始発は朝6:00~最終は向島発が22:00、尾道発向島行きが22:10です。乗船時間は約5分。

約12分間隔で通勤時間帯は7分間隔で運行しているとのことです。

料金は片道運賃は大人100円(小児50円)で自転車、バイクは10円追加です。

料金の支払いは船内で行いますので、小銭の用意が必要です。

福本渡船で向島に渡った後、尾道側に戻る際に利用しました。福本渡船の向島側の降り場から川沿いに5分ほど歩いていくと向島側の駅前渡船の乗り場があります。

しばらくベンチに座って待っていると渡船が到着します。

学校が近いので通学や下校時間帯はたくさんの学生が利用するのだと思いますが、私たちが利用した時間帯は地元の利用客が5,6人といったところでした。

船内で写真を撮りまくる観光客丸出しだった私たちを見て、一緒に乗船していたおばあちゃんが千光寺ロープウェイの場所や城址の場所などを指差して教えてくれました。

尾道の街並みを海側から見られるという素晴らしい体験ができました。

モーモーキッチンで早めのランチ

向島の海沿いに良さげなレストランがあったので、早めのランチを食べました。

お昼時や週末はかなり混みあいそうな素晴らしいロケーションで、大人のお子様ランチを食べました。

レモンのシチューが美味しかったです。

目の前にヨットハーバーと造船施設を見ながら食事ができるので、開放感がめちゃくちゃありました。

朝食プレートなどもあるようだったので、朝のドライブのついでに寄るのも良さそうでした。

尾道半日観光をした感想

一言でいうと、めちゃくちゃ楽しかったし景色も素晴らしかったです。

山からの風景も最高でしたし、渡し船からの海からの風景も最高でした。

どこを切り取っても絵になるという素晴らしい街並みで、地元の人たちも観光客の私たちについつい尾道のいいところをおすすめしたくなるような街だと思いました。

前日の夜に行った商店街のお店がほとんど空いていなかったのは残念でしたが、海沿いを気軽に散歩できたりして楽しかったです。

私たちは向島に渡ってそのまま四国へ歩みを進めましたが、向島を散策したり地元のおばあちゃんが教えてくれた城址に足を延ばしたりしても尾道を満喫できると思いました。

尾道の景色を映画にしたり、詩にしたりしたいという人々の気持ちがちょっとだけ分かる旅になりました。

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