谷川岳ロープウェイの散策予定を立てていると、近くに土合駅の表示があることに気が付きました。
土合駅は過去に「スーツ交通チャンネル」を運営しているスーツ氏が土合駅でプラットホームから改札口まで482段を10分で登るという動画を見ていたので、「土合駅」の表示を見つけた時は、これがあの地中深くにプラットホームがある有名な駅か!と思い、せっかく近くまで行くので少し立ち寄ってみたいと思い、谷川岳を観光した後に行ってきました。
谷川岳ロープウェイ乗り場から土合駅までは徒歩で10分ほどで到着します。
歩道がないので交通量が多い場合はあまりお勧めしませんが、私が訪れた時は行き交う車もまばらでした。
下りのロープウェイを下りた直後に、関越バスが谷川岳ロープウェイ駅を出発するのを見送ることになってしまったので、仕方なく歩くことにしました。
土合駅までの道のりは、自然がいっぱいののどかな道を行きます。
途中には、湯吹きの滝と呼ばれている土合砂防堰堤を見ることができます。
近くには温泉もあるオートキャンプ場もあるようでした。
この日は平日だったので、キャンプをしている車の姿はありませんでしたが、週末に出かけてみるには穴場スポットなのかもしれません。
土合の踏切を通過すると、土合駅まではもうすぐです。
土合駅は、地上にもホームがあって、運行する方向によって地上ホームと地下462段のモグラホームに分かれています。
モグラホームに乗り降りしたい場合は、上越線の新潟県六日町方面に行く方向に乗る必要があります。
こちらは遠目から見た地上ホームの様子。
そして、ついに土合駅に到着。
駅入り口にも「ようこそ日本一のモグラ駅土合へ」と看板が掲げられています。
もともと土合駅は、昭和6年に信号場として開設し昭和7年にスキー客用に冬季のみの運用を開始したそうです。
その後昭和60年には無人駅となり、臨時列車の運転時だけ隣の水上駅から駅員が派遣されて臨時窓口が設けられるそうです。
確かに土合駅の中は待合室は設けられていますが、駅舎は無人で改札もそのまま通れるようになっていました。
無人駅でしたが、意外と待合室や駅全体がきれいにされている印象です。
先ほども触れましたが、ここから東京方面へ向かう上り線は地上ホームになっているので、残念ながら東京方面へ向かう場合はここから地下のモグラホームは利用できません。
再度改札口を反対方向へ通り過ぎて、下り六日町方面の地下のモグラホーム側へ向かいます。
改札口は誰もいないし、人もまばらなのでホームへと続くコンクリートブロックに囲まれた長い廊下は暗ぐらしていて、一見留置場のような殺風景な印象を受けます。
この日は一人だったので、びくびくしながら廊下を進むと下り側の案内が出てきました。
案内をくぐって、20段ほど階段を下るとようやく地下のモグラホームへの入り口が見えてきます。
天井の屋根の錆びが時代を感じさせますね。
そしてこの渡り廊下の終わりには、400段以上続く階段が姿を現します。
これです!
どこまでも地下に続いていくような感覚に襲われる階段ですね。
この462段の階段は、長さにして338メートル、地上ホームから地下のモグラホームまでの深さはなんと81メートルにも及ぶそうです。
さすがに462段を下りきる勇気と体力がなかったので、何段か下りただけにしました。
462段を登り切った暁には、こんな風景を見ることができます。
下から登ってきた人は、ふと目に入る「ようこそ土合駅へ」の文字にほっとすることでしょう。
そして、下から来たときの階段の出口には、とんがり棒のように突き出した三角の壁がありますが、これは下から吹きあがってくる風を受け流す役割を果たしているそう。
この壁の裏にはこんなメッセージが書かれています。
これで462段制覇です。
ただ、改札口に行くまでにも階段があるので、実際の階段は462段+24段の486段を登ることになります。
土合駅を訪れた感想
駅舎内は昭和初期の建物らしく、古めかしい歴史を感じます。
今は無人駅となっているので、おどろおどろしくもある殺風景な何とも言えない雰囲気が漂っていました。
秘境駅と言われていますが、やはりこれだけ特徴のある駅を一度は見ようという旅行者が後を絶たないのか、ひっきりなしに土合駅に出入りする車や人にすれ違いました。
さすがにこの階段を往復している人がいたのかは分かりませんが。
一見の価値がある、かなり個性的な秘境駅、土合駅でした。
この後は、関越バスで水上温泉で温泉と美味しい食事を楽しみました。